終身雇用崩壊に伴う苦難と新たな生き方

02/19/2016

終身雇用という慣習は、かつての日本の労働者の間において心のよりどころとも言える存在でした。
とりあえず、それなりの会社に入ってしまえば定年までそこで働くことができ、年功序列によって給与アップと昇進がなされていきます。
そして、定年を迎えると退職金と年金によって悠々自適の老後が送れるという安心感があったのです。

ところが、バブル崩壊と高齢化社会の到来によって、その安心感はもろくも崩れ去りました。
その落差による弊害をもろに被っているのが、バブル時代に青春を過ごした人たちです。
終身雇用の恩恵を目のあたりにしながら、働き盛りの年齢になった時にはろくな役職にもつけず、将来も不透明で、生きがいを見失っている人が増えています。

そんな状況下において注目されているのがキャリアデザインです。
キャリアデザインは、終身雇用のような社会的価値観に依存しません。
自分自身の価値観に基づいて、自らの職業人生を描くのです。
そのメリットは、社会状況が変わっても価値観を見失わなくてすむことにあります。
どんなに社会が変わっても、自身によって定められた価値は不変なのです。

しかし単に、職業人生の設計図を描いただけでは、それを実現することはできません。
その設計図に基づいて実現への道筋を示すキャリアデザインを描き、それを実行に移していかなければなりません。
また社会情勢を常に見極め、その都度キャリアデザインを変更していく柔軟性も求められます。